仙骨の歪みと顎関節症の関係
仙骨の歪みが顎関節症の全身症状に大きく影響することをご存知でしょうか?
下顎のズレや、噛み合わせが悪くなると、頭部が傾いて身体全体のバランスが悪化することがあります。それは、顎関節が「側頭骨」と「下顎骨」により構成され、「側頭骨」の中には、平衡感覚を司る「三半規管」があることと関係しています。
人間は目線をまっすぐに保とうとするので、三半規管が働いて、頭部の歪みは他のパーツで代償されることになります。
なかでも、仙骨は頭部の歪みと関連が深いパーツです。
顎関節症が全身に波及する「仙骨の歪みと顎関節症の関係」について解説します。
仙骨とは
仙骨とは、背骨の下にある骨盤の骨の一つです。逆三角形の形状をしており、左右にある腸骨と合わせて骨盤と呼ばれます。
私たちの身体は、200個以上の骨から成り立っていますが、その骨格の土台と言えるのが仙骨です。この土台である仙骨が歪むと、土台に支えられている骨格に歪みが生じます。
仙骨の歪みと顎関節症の関係とは?
顎関節症で代表的な症状は、顎関節周辺の「痛み」や「口が開かない」などの局所的な症状です。仙骨は、骨盤にある骨ですので、顎関節からは遠く離れた位置にあります。それが、なぜ顎関節症と「仙骨」が影響し合い、さらに全身の歪みやズレが起きるのでしょうか?
それは「下顎のバランサー」としての働きに関係があります。
下顎が平衡バランスを取ろうとするために骨や関節が歪む
下顎は、頭蓋骨から「ぶら下がるように付いていて」、上下、左右、前後に動かすことができます。そして、下顎の位置によって、頭部の重心が左右され全身のバランスを取るための、振り子の役割を果たします。そして、体がどのように傾いているかなどの情報を感知する三半規管などの平衡器官が働き、その情報を脳に送ります。
すると目線をまっすぐに保つように脳からの指令が送られます。すると、歪みは全身の様々なパーツ、筋肉などで代償されることになります。特に、骨格の土台となる仙骨が対応することが多いと考えられます。(下の図を参照)
仙骨の歪みから全身の歪みへ
さらに身体のバランスが悪化する症状が進行すると、仙骨だけでは対応できなくなります。そのため、骨盤全体と脊椎が対応しようとします。その結果、身体全体の骨格が歪み、歪んだ状態で筋肉が固定化されます。
このように顎関節症が全身に波及して「骨格の歪み」「筋肉の引っ張り合い」などが起きることで、人間の体には様々な不定愁訴が生じることになるのです。
顎関節症により仙骨が歪むメカニズム
下の図のように、噛み合わせに異常が発生すると、頭部、頸部の歪みから下記のように歪みが生じます。
噛み合わせの異常
↓
側頭骨が歪む
↓
頚椎が歪む
↓
仙骨・仙腸関節が歪む
↓
胸椎・腰椎が歪む
↓
肩関節などの変位
「仙骨の歪み」だけで対応しきれなくなると、身体の中心にある脊椎も歪んで、左右の肩の位置までズレが生じるようになります。
悪い噛み合わせが頭蓋仙骨系に影響する
さらに詳しくご説明すると、頭蓋骨と仙骨は、脳と脊髄を保護する「硬膜」でつながっています。そして、そこを流れる脳脊髄液がスムーズに循環することで、神経を栄養し、老廃物を流し、脳が活性化されます。
悪い噛み合わせにより、左右どちらかの顎がズレた状態になると耳孔を回転軸とする側頭骨が回転し、歪みが生じます。頭蓋骨はいくつもの骨が組み合わさって出来ています。そして、脳脊髄液の動きに合わせて微妙に膨らんだり縮んだりしています。
ですから、側頭骨の歪みから頭蓋骨の動きが妨げられ、脳脊髄液の流れを妨げることも考えられるのです。
脳脊髄液の循環が滞ると、自律神経のバランスが崩れ、体調不良の原因になります。これが、顎関節症が仙骨の歪みの原因になり、全身症状に関わるもう一つの理由です。
全身咬合治療で仙骨の歪みを解決する
このように、悪い噛み合わせや下顎のズレにより、「頭部の傾き」「仙骨の歪み」が生じることで、顎関節症の様々な症状が全身に波及します。
このように重い顎関節症になる前に、下顎のズレや噛み合わせが悪くなったと感じたら、できるだけ早期にご自身の症状を確認する必要があります。
仙骨の歪み、全身の歪み、さらに不定愁訴による痛みや不調が発生したら、全身咬合治療がお薦めです。全身咬合治療とは、「噛み合わせを正しい位置にする」、「顎の歪みからくる体の歪みを改善する」という治療方法です。不定愁訴による痛みや不調が改善されて、さらに免疫力も回復することが期待できます。
仙骨の歪み、顎関節症のつらい症状などでお悩みでしたら、新宿デンタルオフィスまでお気軽にご相談下さい。予約制の初診カウンセリングをご利用頂ければ、ご自身の症状の進行についてもチェックができます。