顎関節症になると話しにくくなる?(滑舌悪い、声が出ない、声枯れ)
顎関節症は顎関節の異常が発端となり、全身に様々な症状が発症する病気ですが、その症状には「話しにくくなる」「滑舌が悪くなる」など、会話する際に支障を来たすケースがあります。
その中には「声が出にくくなった」「声が枯れた」「鼻声になった」など、発声に問題が起きることもあります。
仕事や対人関係の多くは会話によって成立しますので、話しにくくなって相手とコミュニケーションが取りにくくなるのは大きな問題です。
この記事では顎関節症と話しにくくなるなどの症状について解説します。
顎関節症と話すことの関係とは
顎関節症とは「噛み合わせの悪化」「下顎のずれや捻じれ」など、顎の関節に異常が起きることにより発症する病気です。
下顎の位置がずれると、上顎と下顎の間のクッション役である軟骨組織の「関節円板」が前方に押し出されるため、下顎と上顎の骨が直に接触します。会話をするときには下顎を頻繁に上下させますが、そのたびに骨が接触するため「顎の痛み」「顎の異音」「口が開かない」などの症状が現れます。
顎関節症の人の中には、話しをするときに「口を大きく開けて話せない」「不正咬合により歯の間から空気が漏れる」「舌を上手く動かせない」など、いろいろな不具合が起こることがあります。
そうなると「話しにくい」「声が出ない」「声が漏れる」「滑舌が悪い(発音が悪い)」など、話すときに様々な問題が生じるようになります。
顎関節症は話しにくくなる?
話すときは口の周りの表情筋を使って口の開閉をおこないますが、顎関節症になると開口障害により口を大きく開けないために正しい発音ができなくなります。また、口を開けると痛みが発症するという不安からか、話す時には自然と口の開閉が少なくなります。
対人関係で会話による意思疎通がしにくくなると、「話すことが不安になる」「話すことがおっくうになる」など、話しをすること自体を避けるようになり、話す機会も減ります。
そうなると、「顎関節の機能低下」「表情筋の衰え」「ストレス」などから、顎関節症が進行するという悪循環に陥ります。
顎関節症になるとはっきりと声を出せない?
声を出すときには「肺から息を送り出す」「声帯で振動させる」「共鳴させる」「発音する」という4つの段階を踏みますが、声帯が振動している時点では、まだ声ではなくただの高低のある音です。
それが、舌・歯・唇・鼻・口の中で音を共鳴させることによって、口や舌の動きなどによって、はっきりと発音できます。
また、顎関節症の方は、顎周辺や首の筋肉の緊張が強く、下顎が奥に下がって力が入っていることがあります。そうなると、喉が締め付けられるような状態になるため、声が出し辛く、こもってしまいます。
顎関節症になると、口を十分に開かずに、舌もあまり動かさずに会話をするため、共鳴や発音が不充分となり「不明瞭に聞こえる」「小さな声に3>聞こえる」など、はっきりした声が出せなくなるという弊害が起こります。
顎関節症の人は、なぜ滑舌が悪くなるのか?
顎関節症を発症している人は、歯並びが悪い(不正咬合)人が少なくありません。
不正咬合には、出っ歯、受け口、デコボコ歯などがありますが、そのようなきちんと歯が噛み合っていない状態だと「口が正しく開かない」「歯の隙間から息が抜ける」「歯が邪魔で舌が回りにくくなる」など、正しい発音ができなくなります。
人間は口蓋垂や舌、歯、唇などを使って音を発しています。不正咬合があると息が漏れることでサ行やタ行の発音が分かりにくくなり、滑舌が悪く聞こえます。
姿勢の悪さも発音に影響?
姿勢の悪さは顎関節症の発症要因の一つと言われていますが、この姿勢の悪さも発音に影響します。
特に猫背のように頭の位置が前に傾き、首が前に曲がった状態だと下顎が奥に押し込められ、下顎が動き辛くなり話しづらくなります。また、首が前に曲がった状態になると、常に喉が詰まったようになるため、しゃべりにくくなって言葉が不明瞭になります。
顎関節症と声枯れの関係とは
顎関節症を長く患っている方の中には「声枯れ」「声のかすれ」がある人が少なくありません。声枯れとは、俗に「ガラガラ声」「しわがれ声」などとも呼ばれますが、ハスキーボイスのように、かすれた声のことです。
誰かと話しをしているときに「相手に自分の声が正しく聞こえていない」「何度も聞き返される」と、つい大きな声を出して伝えようとします。その時に顎関節症の人は、口や舌をあまり動かさずに喉から声を絞り出すように話すため、声帯を傷め、声が枯れることにつながります。
滑舌が悪い上に、声が枯れると、ますます話し声が相手に伝わりにくくなります。
顎関節症で会話に支障が生じたら治療が必要
会話は人間のコミュニケーションにおいて欠かすことができないものです。プライベートでも仕事でも人と話しをする機会は毎日ありますが、それが顎関節症によって支障を来すようになったら問題です。
これまで述べてきたように、顎関節症になって、口が大きく開かないようになると、話しにくくなり滑舌が悪くなります。そうなると、話しをすること自体が不安になるため、積極的に会話をしなくなります。結果的に表情筋の衰え、舌の衰え、さらには「声帯・呼吸筋・肺活量」などにも影響が出ます。
また、顎関節症になると顎の歪みにより顔面骨格が歪むことがありますが、そうなると鼻骨も歪むことがあり、鼻づまりになりやすいことがあります。その状態が慢性化すると鼻声になります。
話すという重用な行為が阻害されないようにするためには、早期に顎関節症の治療をおこなうことが大切です。
顎関節症専門クリニックで初診カウンセリング
顎関節症が原因で仕事や対人関係で「うまく話しができない」「話すことがコンプレックス」になっているようなら、早めに専門医に相談することが大切です。
新宿デンタルオフィスは、顎関節症・噛み合わせ治療の専門クリニックです。これまで様々な症例の患者様の診察をおこなってまいりました。
当院の顎位矯正という顎を正しい位置に補正する治療、噛み合わせ矯正治療により顎周辺の筋肉、首、顔の筋肉の緊張が緩和し、顎の動きがスムーズになる改善治療をご提案します。
それにより、「話しにくさ」「滑舌の悪さ」の改善効果が期待できます。
顎関節症でお悩みの方に初診カウンセリングをおこなっています。(予約制1回3~4時間:保険適用)ご自身の顎の状態を確認し、気になる症状の原因が噛み合わせや顎のズレにあるか確認されることをお勧めします。
どうぞ、お気軽に初診カウンセリングをご利用ください。