顎関節症を改善する5つの方法とは?
顎関節症の「痛み」「倦怠感」「不快感」でお悩みの方は多いと思います。ツライ症状を今すぐ改善したいとお考えの方の中には、ご自身でいろんな治療法を試したのではないでしょうか。
しかし、「その治療法が間違っていたら…」改善どころか、悪化の一途をたどることもあります。
顎関節症を改善するためには、誤った初動を取らないことが大切です。そして、あなたの症状に合った正しい治療を受けることとが重要です。この記事では、顎関節症の治療でおこなわれる代表的な5つの治療法について解説します。
顎関節症は改善できるのか
顎関節症が重くなると、「噛み合わせ矯正」「筋肉の補正」のような根本的な治療が必要なケースが多いですが、まだ初期症状ならば、適切な治療と生活習慣を見直すことによって症状を改善させることは可能です。
その代表的な改善方法が「行動療法」「スプリント療法」「歯科治療」「理学療法」「薬物療法」です。それぞれメリットとデメリットはあります。また、その人の症状によって選ぶべき改善方法は変わってきます。
1.認知療法
認知療法とは、簡単に言うと患者が症状を自覚して行動を修正することによって改善を目指す方法です。顎関節症においては、日常的におこなっている症状を悪化させる癖や生活習慣を自覚してもらい改善をはかります。具体的には「日中食いしばっている事を自覚して止めるようにする」、「悪い姿勢に気付いて意識的に姿勢を正しくする」などです。
【顎関節症によくない癖や生活習慣】
・歯ぎしり
・食いしばり
・噛み締め
・上下の歯の接触
・偏咀嚼(片側噛み)
・硬い食べ物(フランスパン、ナッツ、スルメなど)
・頬杖
・うつ伏せ寝、横向き寝
・高い枕の使用
・猫背
・ストレス
2.スプリント療法
スプリント療法とは、スプリント(マウスピース)を装着し、歯ぎしりや食いしばりを改善する治療法です。歯ぎしり、食いしばりは顎関節症で最も多い発症要因の一つです。
歯ぎしりや食いしばりは、睡眠時に無意識におこなわれ、歯や顎に強い力をかけるために、「歯の摩耗」「歯の欠損」が起きて噛み合わせの悪化を招きます。また、咀嚼筋(そしゃくきん)という顎周辺の筋肉が絶えず運動を繰り返すため、筋肉の収縮により、血流悪化や炎症が起きて痛みをともないます。
このような歯ぎしりと顎関節症の改善のために効果的なのがスプリント療法です。マウスピースが歯の摩耗を防ぐとともに顎にかかる負荷を軽減してくれます。
気を付けたいのが、マウスピースがご自身の噛み合わせに合っているかどうかです。ネット通販などで歯ぎしり改善を謳う既成品のマウスピースが売られていますが、合わないマウスピースの着用は逆効果です。「痛みがヒドくなる」「睡眠障害を起こす」などの問題を生じさせる事になりかねません。
新宿デンタルオフィスでは、歯ぎしりでお悩みの方にオリジナルの咬合器で作成した特製ナイトガード(マウスピース)をご提案しています。対処療法ではあるものの、歯ぎしりによる顎関節症の悪化を防いで症状改善の効果が期待できますのでぜひご相談下さい。
3.理学療法
理学療法とは、身体に何らかの異常がある人に対して動作療法、運動療法、物理療法なにより機能を回復させる治療法です。顎関節症においては、痛みを和らげて機能を回復させるために、以下のような改善療法がおこなわれることがあります。
・マニュピレーション:口腔内から手技で関節円板を正しい位置に戻していく方法です。
歯科医師が両手で下顎を動かし、関節円板の下に移動させる方法です。
・電気刺激療法:皮膚に電気刺激を与えて、顎の痛みを軽減させる方法です。
・超音波療法:血流促進のために行います。
・温湿布療法:顎を動かす時に慢性的な痛みがある場合に温湿布をし、痛みを軽減させます。
・マッサージ:顎の筋肉が痛むときに、指で軽く円を描くように押す方法です。
温湿布やマッサージなどはご自身でもできる改善方法ですが、間違った方法でおこなうと症状が悪化することがあります。専門医にアドバイスを受けてからおこなうようにしましょう。
4.薬物療法
薬物療法とは、薬を使用して症状の改善をおこなう治療法のことです。顎関節症の場合には、痛みを緩和させる消炎鎮痛剤。咀嚼筋が過緊張により硬くなっている際に、筋肉の緊張を和らげる「筋弛緩剤」。痛みや不安などストレスを和らげる「抗うつ薬」。睡眠時の歯ぎしりを抑える効果がある「導眠剤」などが用いられます。
薬物療法で気を付けたいのが副作用です。腎臓、肝臓、胃腸などの内臓器官に負担をかけたり、薬が合わないとアレルギー症状が発症することもあります。医師にご自身の持病や現在服用している薬などを申告した上で、使用する薬物を検討する必要があります。
5.ストレス改善
顎関節症はストレスが大きく影響する病気と言われています。ご自身が顎関節症であることを自覚して、ストレス改善に取り組むことで症状が軽減できることがあります。
顎関節症になる大きな要因の一つである「睡眠時の歯ぎしり」や「日中の食いしばり」はストレスが原因であると言われています。そして、顎関節症を発症すると顎の不調や痛みを自覚するようになりますが、この症状が続くと大きなストレスを抱え込むことになります。
このようなストレスの悪循環により顎関節症はさらに悪化していくのです。
日頃からストレスを溜め込まないように「リラックスする」「無理をしない」「疲れたら休む」など、生活改善を試みるとともに、顎関節症による痛みを感じたらすぐに医師に診てもらうということが大切です。
顎関節症の改善は専門クリニックへ
顎関節症を改善するためには、ここで述べたように様々な方法がありますが、気を付けたいのが素人判断で改善を試みることです。ご自身の症状をよく理解しないまま、安易にマッサージをしたり、市販のマウスピースを着用したり、薬物療法をおこなうことで、症状が悪化することがよくあります。
また、不用意に「歯を削る」「抜歯する」ことにより、噛み合わせが悪化して症状が一層悪くなるというケースもありますので注意が必要です。顎関節症を「改善したい」「治したい」というときには、まずは専門医に相談することが重要です。
新宿デンタルオフィスは顎関節症専門クリニックです。噛み合わせ矯正、顎位矯正術により、顎関節症の根本的な治療をご提案しています。
ご自身の症状がどのような状態なのか把握する意味でもカウンセリングは有効です。新宿デンタルオフィスでは初診カウンセリングをおこなっています。1回3~4時間かけて症状をしっかりと診察します。お気軽にご相談下さい。