背中の痛みは内臓が原因?
「慢性的に背中が痛む」「ふとした時に背中に痛みを感じる」という方は内臓に原因があるかもしれません。
内臓の異常や疲労が蓄積すると、背中の筋肉に働きかけて痛みを引き起こすからです。
必ずしも背中の痛みの原因が内臓にあるとは限りませんが、なかなか症状が改善しないようなら診察を受けてみましょう。
背中の右側が痛い場合は?
背中の右側が痛いという時は、肝臓・胆のうの異常が原因として考えられます。
まず、肝臓は肝炎や肝臓がんの危険性があります。
肝臓や胆のうに生じている異常が筋肉を通じて、背中の痛みを発症するためです。
同様に胆のう炎、胆のうがんなども原因になっていることがあります。
いずれも内臓の不調を自覚する前に、背中の痛みとして症状が現れるケースがあるので注意が必要です。
また、胆石症を患っていると背中の痛みを感じる場合があります。
この際には背中に激しい痛みを感じるだけではなく、肋骨の下にも同じような痛みを感じることが多いようです。
そのため、背中だけではなく肋骨の下にも痛みがあるようなら、胆石症を疑ってみると良いでしょう。
いずれにしても、原因が特定できない背中の痛みがある際には、内臓疾患の影響も考えられるので診察をお勧めします。
背中の左側が痛い場合は?
背中の左側が痛む場合は、すい臓に不安を抱えている危険性があります。
すい臓は病気にかかっても自覚症状が現れにくいため、背中に痛みを感じるほど進行してから気付くことも少なくありません。
原因として考えられるのは慢性すい炎やすい臓がんなどです。
いずれも発見が遅れがちな症状ですので、原因が分からない背中の痛みが続くようなら診察を受けてみましょう。
また、慢性すい炎は背中の痛みだけではなく腹痛も伴います。
そのため、背中だけではなくお腹の痛みも感じるなら、早めの診断を受けるようにしてください。
特に日頃のアルコールの摂取量が多い方はすい臓に負担が掛かりがちですので、背中の痛みが続くようなら医師に相談してみましょう。
内臓疲労も背中の痛みの原因に?
内臓が休む暇もなく酷使されていると、その代償として背中の痛みを発症する場合があります。
特に胃腸などの消化器系は毎日働いていますから疲労が蓄積しがちです。
そのため、緩和できなくなった負担が背中の痛みとして現れてしまいます。
特にお酒を良く飲む人や日頃の食事量が多い人などは、胃腸に掛かる負担が大きいので無意識のうちに内臓疲労を引き起こしてしまうのです。
このような状態が続いていると内臓の不調よりもまず、背中の痛みを先に自覚することが少なくありません。
そこで、原因が分からない背中の痛みを感じるようなら、日頃の生活習慣を見直してみましょう。
例えば暴飲暴食を防ぐだけではなくお酒を控えるなど、内臓に疲労を残さないように心掛けてください。
また、ストレスによって内臓疲労が溜まった場合も背中の痛みの原因となります。
ストレスが溜まると自律神経が乱れ、内臓も疲弊して消化不良などの症状が現れるだけではなく、背中の筋肉にダメージを伝播してしまいます。
このようなケースでは背中の痛みの原因が特定しにくいので、なかなか症状が改善されずに慢性的な痛みに悩まされてしまうのです。
毎日の仕事でストレスを感じてしまうのは仕方ありませんが、なるべくストレスを溜めないようなライフスタイルを送るようにしましょう。
内臓以外にも背中の痛みの原因はある!
背中の痛みには様々な原因があります。
先述のような内臓に起因する痛みだけではなく単純な筋肉痛など、痛みの程度や種類も多岐に分かれています。
そのため原因が絞り込みにくく、慢性化した痛みに悩まされている人も少なくありません。
これらのなかでも特に原因が見抜きにくいのは、関節の異常による背中の痛みです。
背中には筋肉だけではなく、人間の骨格を支える背骨が存在します。
背骨から全身へ多種多様な骨格や関節が派生して、ひとつの身体へと肉付けているのです。
いわば人体を形作るセンターラインのようなものですが、単純に物理構成だけの役割ではありません。
全身へと行き渡る血管や神経の大半は脊髄を経由して脳と繋がっています。
つまり、人間の痛みという感覚も背中を通して脳と相互に通信しているわけです。
つまり身体のどこかに不調が生じれば背中には痛みのシグナルが生じます。
もし痛みのシグナルが無ければ身体の異常を自覚できませんから、どんどんと症状が進行してしまいます。
特に気をつけたいのが、顎関節症によって背中の痛みが生じるケースです。
顎関節症のために顎の関節にダメージがかかり、顎位がずれると、身体全体のバランスが
崩れてしまうことがあります。そのため、背骨に歪みの負担がかかって痛みが出ることもあれば、顎関節症の影響でどこか不調になっているシグナルが背骨に現れていることも考えられます。
そのため顎関節症を放置しておくと、いつまでも背中の痛みに悩まされることになるでしょう。
背中の痛みは身体のどこかに不調を抱えているという身体からのサインだと受け取り、痛みの原因を特定してスムーズな治療に臨みたいものです。