インビザライン矯正は歯ぎしり癖があっても可能!影響を受けない理由と注意点について解説
インビザライン矯正を始めたいけれど、「歯ぎしり癖があるので不安…」、すでに始めているけれど「歯ぎしりによってアライナーがダメージを受けているかも…」と心配な方もいらっしゃるでしょう。
結論から言うとインビザライン矯正は歯ぎしりがあっても特に影響はありません。むしろ、装着することで歯への負担が軽減できます。
この記事では、インビザラインと歯ぎしりの関係、影響がない理由、歯ぎしりがある場合の注意点について解説します。
インビザライン矯正は歯ぎしり癖があっても影響がない理由
歯ぎしりで強く食いしばった際に生じる圧力は60~70kg程度といわれています。
特に睡眠中の歯ぎしりは体重の2倍以上の強い圧力がかかると言われていますので、アライナーに悪影響がないのかと不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、インビザライン矯正では歯ぎしりがあっても特に問題なく治療ができます。その理由について説明します。
アライナーの素材は柔軟性と弾性が高い
インビザラインのアライナーの素材は「SmartTrack(スマートトラック)」という、歯の移動のコントロールを向上するために長年かけて研究開発された素材です。
柔軟性と弾性が高いのが特徴で、歯ぎしりによる力が加わることで「割れたり」「ひび割れたり」することは、ほとんどありません。
アライナーは1週間~2週間で交換するので経年劣化はほとんどない
インビザラインのアライナーは1つを1週間から10日、長くて2週間程使用して、新しいアライナーに交換していきます。
このように短期間で交換していきますので、経年劣化することがないため、歯ぎしりの力によって、ひび割れや破損するということはほとんどありません。
歯ぎしりがあっても計画通りに矯正できる
上記のようにアライナーは柔軟性があり、また1週間ほどで変えていきますので、その間に使えない状態になることは殆どありません。
歯ぎしりがあってもインビザライン矯正に影響はなく、計画通りに歯を正確に移動させることができます。
アライナーは歯ぎしりから歯を守る効果もある
インビザライン矯正では睡眠中の強い歯ぎしりから歯を守るという効果もあります。
歯ぎしりによって顎関節にかかる力は大きく、上下の歯がダイレクトにギリギリと擦り合うよりも、インビザラインを装着するほうが歯の負担は軽減されます。
このような点から、歯ぎしりのある方が歯列矯正をする場合、インビザラインはメリットが多くワイヤー矯正よりも適しているとも言えます。
マウスピースを付けない状態で歯ぎしりをすることこそが問題
インビザラインのアライナー装着時に歯ぎしりをするリスクを懸念される方がいます。しかし、ここで問題なのは、むしろ就寝中にマウスピース等を何もつけない状態で強い力で歯ぎしりをしてしまうことです。
習慣的に強い力で噛みしめたり、歯ぎしりしたりすると歯が欠けてしまったり、顎に痛みが出る危険性もあります。また、歯の矯正中は、歯根が緩くなっているので、そこに歯ぎしりや噛み締めによる強い力がダイレクトにかかると、歯が大きなダメージを受けてしまいます。
就寝中の歯ぎしりの場合、ナイトガードがおすすめですが、インビザラインのアライナーも歯を守る役割を十分に果たすことができます。
インビザライン矯正で歯ぎしりがある方が注意すべき点
インビザライン矯正で歯ぎしりがある方が特に注意すべき点として、付け忘れや食生活などが挙げられます。
日中のアライナーの着け忘れに注意
日中に仕事中・勉強中・家事の最中などに知らず知らずのうちに歯ぎしりや噛み締めをしている方は多いです。
歯の矯正中は、歯根が緩くなっているので、そこに歯ぎしりや噛み締めによる強い力がダイレクトにかかると、歯が大きなダメージを受けてしまいます。
歯ぎしり・噛みしめがある方は、就寝中だけでなく日中のアライナーの着け忘れにも注意が必要です。
硬い食べ物は控える
矯正中は、ワイヤー矯正でもインビザラインでも一時的に噛み合わせが悪くなっていることがあります。また、アライナーを付けていても歯ぎしりによって歯に少なからずダメージを与えています。
インビザライン矯正中は食事の際に「肉」「パン」「乾き物」などの硬い食べ物は避けて、歯を傷めないよう注意する必要があります。
インビザラインのアライナーが歯ぎしりで壊れたときの対処法
万が一、アライナーが歯ぎしりによって壊れたり、別な要因で壊れた場合、矯正が計画通りにできなくなります。
それをできるだけ回避するためには早めの対処が必要になります。
新しく作り直す
大きく割れたり、欠損してしまった場合、または軽度の破損でもマウスピースを新しく作り直す必要があります。その場合、新たに注文することになりますが、歯科医院に届くまで1か月ほどかかることがあります。
その間の治療方法については、歯科医師に相談して適切な指示を仰ぎましょう。
一つ前のマウスピースを使用する
アライナーが壊れてしまったからといって、使用しない時間が長くなるのはよくありません。壊れて使えなくなった場合、一般的には1つ前のアライナーを代替えとして使用するケースが多いです。
このようなことが起こりえますので、1つ前のマウスピースは捨てないようにしましょう。
自分で修理して使用するのはNG
「軽度のひび割れなら自分でも治せるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、市販の接着剤を使ったりして自分で修理するのはおすすめできません。
インビザラインのアライナーは精密に作られていますので、ご自身で修理することでズレが生じて歯の動きに悪影響を及ぼす可能性があります。
歯ぎしりの3つの種類
歯ぎしりには、大きくわけて3つの種類があります。
ご自身の歯ぎしりはどのタイプなのか確認しておきましょう。
1. グラインディング
グラインディングとは、上下の歯をギリギリと左右にすり合わせるタイプの歯ぎしりのことです。歯ぎしりとは一般的にグラインディングのことを指します。
グラインディングは多くの場合、就寝中に起こり、上下の歯が強くこすり合って、「ギリギリ」「ギシギシ」といった大きな音をたてるのが特徴です。
2.クレンチング
クレンチングとは、グッと力強く噛み締めるタイプの歯ぎしりで、一般的には食いしばりと呼ばれてます。
クレンチングは、緊張やストレスから生じることが多く、「仕事中」「勉強中」「家事」の最中などに、気づかないうちに長時間食いしばっていたということもあります。
3.タッピング
タッピングとは、就寝中に限らず起きているときにも無意識におこなっており、上下の歯を「カチカチ」「カツカツ」とぶつけ合うタイプの歯ぎしりです。
グラインディングやクレンチングほど発生頻度は多くないですが、日中集中しているときや、ストレスがあるときなどにも無意識にカチカチ噛んでしまうケースがあります。
インビザライン矯正中の歯ぎしり対策方法
歯ぎしりは原因がわかっていれば対策できることもありますが、いろんな要因が複合的に混ざり合っていることが多いため、すぐに治すことは難しいでしょう。
一般的に歯ぎしりは疲れやストレスからくるものが多いといわれていますので、ストレス解消が重要な対処法と言えます。
そのため、「好きな香りのアロマを使用する」「お風呂にゆっくりつかる」「ストレッチする」など、自分にとってリラックスできる方法を試してみましょう。
また、舌のポジションが悪いと下顎の位置も悪くなるため、必要以上に噛みしめたりすることが考えられます。舌の正しい位置や舌トレなどを歯科医師に確認してみましょう。
歯科医師に相談してインビザラインと歯ぎしりの不安を取り除きましょう
歯ぎしりは、様々な原因がありますが、噛み合わせが悪いことで習慣化しているケースもあります。そのため、インビザラインで正しい噛み合わせにすることで歯ぎしりが改善することもあります。
強い歯ぎしりが気になっている場合、噛み合わせの悪さから歯ぎしりをしているかどうか、インビザラインの矯正を始める前に、一度噛み合わせの診断を受けてみることをお勧めします。
また、歯ぎしりによって顎が痛いといった症状がある場合は、まずは、顎関節症の治療を検討する必要があるケースかもしれません。
新宿デンタルオフィスは顎関節症・噛み合わせも専門分野です。顎の痛みや、顎関節症の症状を改善する治療法もご提案できますし、インビザラインで正しい噛み合わせに改善することもできます。
初診カウンセリングも実施しており、歯ぎしりによって生じた、顎のズレ・歪みの状態についても確認することができます。ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
歯ぎしりの癖がある方でもインビザラインの矯正は問題なくできます。歯ぎしりの原因が噛み合わせの悪さにもあるのか、インビザラインの矯正で噛み合わせが改善するのかを治療前によく診断することが重要です。
噛み合わせ以外で歯ぎしりの原因がある場合は、インビザラインの矯正が終了し、リテーナー(保定期間)も終了したら、ナイトガード等のマウスピースで歯や顎関節を守ることをお勧めします。