噛み合わせが深い過蓋咬合とは?顎関節症との因果関係は?
過蓋咬合(かがいこうごう)という噛み合わせが深い状態をご存知ですか?
誰にでも頻繁に起こりうるものではありませんが、歯や歯茎に悪い影響を与えるものなので注意が必要です。
今回は、過蓋咬合が与える悪い影響について詳しくご説明し、加えて顎関節症との関連性についても解説します。
歯や歯茎の状態と顎関節症は、一般的には深く関連があると言われています。
過蓋咬合との因果関係についても知っておきましょう。
過蓋咬合とはどういう状態?
まずは過蓋咬合についてです。
過蓋咬合とは噛み合わせが深い状態ですが、具体的に言うと歯を噛み合わせた際に上の歯で下の歯がまるっきり隠れてしまう状態です。
通常であれば、普通に噛み合わせた程度では下の歯がすべて隠れてしまうことはなく、多少見えている状態です。
ところが過蓋咬合の場合、下の歯がすべて隠れてしまい歯が歯茎に直接当たっているのです。
なかなか自分では気付きづらい症状のため、学校で受ける歯科検診や歯医者により指摘されることで気づくケースが多いようです。
では、過蓋咬合の方に起こりやすい症状について、具体的にご説明してまいります。
過蓋咬合をそのままにしておくデメリット
歯が凹凸になっているわけでもなく、痛みがあるわけでもない過蓋咬合ですが、そのままの状態にしておくと生じるデメリットをご説明します。
1. 虫歯・歯周病になりやすい
噛み合わせが正常ではない不正咬合の場合、虫歯や歯周病が発生しやすくなります。
また、下の前歯でたえず上の歯茎を刺激している状態が続くと歯周病の発生確率も高くなります。
2. 口内炎ができやすい
こちらも同様に、下の前歯でたえず上の歯茎を刺激している状態が続くと傷や腫れの原因となり、口内炎に悪化してしまうことがあります。
顎関節症と因果関係があるの?
では、顎関節症との因果関係はあるのでしょうか?
現在のところ、過蓋咬合と顎関節症との因果関係ははっきりとは確認されていません。
ただ、上下の歯の噛み合わせと顎の動きの関係を考えると大いに関係すると言えるのです。
過蓋咬合は下の歯が上の歯に覆われて見えないような状態です。
その為、下顎が正しい位置よりも奥に下がってしまい、下顎がスムーズに動かなくなり、特に前後の動きに制限がかかります。
また、下顎が奥に下がった噛み合わせは、奥歯の高さが不足している状態にあることが多く、噛みしめが強くなり、顎関節への負担も大きくなります。
このような日常的にかかる顎関節への負担は、顎関節症の発生原因の1つです。
過蓋咬合だから顎関節症になるということはまだ判明していませんが、顎関節症の原因の1つとして可能性があることは否めません。
過蓋咬合も顎関節症も治療が重要
ご説明した通り、過蓋咬合が顎関節症の原因になることが考えられますので、まずは、自分の噛み合わせが過蓋咬合というタイプに当てはまるのかなどチェックしてみることをお勧めします。
もし、該当する症状がある場合は、専門医に相談してみてはいかがでしょうか。