顎関節症の症状「噛み合わせ」
顎関節症になる要因は様々あり、噛み合わせ不良、歯ぎしり、生活習慣、悪い姿勢、身体の歪み、ストレス、肉体的・精神的疲労等、いくつかが重なり合って、その歪みが顎関節の耐久を超えた時に発症すると考えられます。
顎の痛み等は急性期を過ぎれば症状も落ち着いてくることが多いのですが、中には、慢性化、重症化してしまう顎関節症のケースもあります。
重症化・慢性化する顎関節症の方の多くに、噛み合わせが起点と考えられる、顎のズレ、頭蓋骨、身体の歪みがみられるのです。そこで、これらの様々な原因の中で歯科の領域で改善するべきなのは、噛み合わせです。
歪みは習慣性の動き・持続的な力によって現れますので、噛み合わせ不良は体の様々なところを歪める矯正力にもなるのです。
例えば、左右の噛み合わせのバランスが悪く、右では3、左では7の割合でしか噛めない等の偏りがあると、それは顎や頭蓋骨を歪める矯正力になるのです。
勿論、人間の体は、関節や筋肉、靭帯等様々な働きで、アンバランスな力もうまく吸収して歪みがあっても問題なく生活もできるということが大半です。
ですから、噛み合わせ不良があっても、普段から上下の歯を噛み合わせないように気を付けて、噛み癖による筋肉の緊張をなるべく起こさないようにすると、顎関節症の症状を発症させにくくなるでしょう。
ただ、噛み合わせ不良という原因を取り除いたわけではありませんので、例えば、筋力の衰えや疲労などにより、バランスが保てなくなった時に、影響が繰り返し及び、慢性化・重症化するということにもなります。
ただ、安易な噛み合わせ調整は危険です。特に、顎に痛みがまだある状態や、顎を動かす筋肉のバランスが取れていない状態では、正しい噛み合わせから顎位がずれて噛んでいる場合が多いので、その状態で噛み合わせを作る治療を行ってしまうと、その位置で噛み続けることが苦痛になり、生体にも馴染まないのです。特に、天然歯を削ると、元の状態を取り戻せないので、注意が必要です。