PNF療法で顎関節の可動域を広げ、
表情筋・咀嚼筋のメンテナンス
表情筋・咀嚼筋のメンテナンス
顎関節症治療でのPNF療法の応用
当院では、取り外し式の矯正装置を使用した顎位矯正術で、収縮した筋肉を補正しながら下顎の歪みを正しい位置に矯正して行きます。
そうすることで、身体全体とバランスの取れた、本来の顎位に誘導され、顎位が生体に馴染むことができます。
しかし、長年歪んだ状態で日常生活を送っているので、筋肉の使い方に癖や偏りがあります。
そこで、PNF療法で口輪筋、笑筋、眼輪筋など、一つ一つの表情筋にアプローチすることで、筋肉の使い方の癖がとれ、顎位矯正術との相乗効果で、歪みが改善できます。PNF療法で、左右非対称に使われていたお顔の筋肉をトレーニングすることにより、左右対称に導くことが期待できます。
当院では、PNF療法の資格を取得した衛生士が施術します。
PNF療法とは
1940年代後半にKabat博士が身体機能を向上させるために構築した運動療法で、脳卒中などの中枢神経疾患や整形外科疾患のリハビリとして用いられています。
また身体全体の筋バランス、柔軟性、運動機能の改善と向上が期待できるため、スポーツの分野でも幅広く用いられています。
外側翼突筋・内側翼突筋マニピュレーション
口を開けたり閉じたり、食事をするときなどには、咀嚼筋という顎周辺の筋肉を使います。
咀嚼筋には、側頭筋・咬筋・外側翼突筋・内側翼突筋の4つがあります。
正しい顎位に導くには、それぞれの筋肉の過緊張を取り除くことが必要ですが、その中でも、外側翼突筋・内側翼突筋は、深層にある筋肉で顎関節症との関係が特に深い筋肉です。
外側翼突筋と、内側翼突筋は交互に働き顎を左右に動かすなど、連動していますので、2つの筋肉の緊張を取り除くことは、顎のスムーズな動きに重要です。
ですから、顎関節症を発症して、開口時に顎にお痛みがある方はもちろん、噛み合わせ不良がある方、歯ぎしりや食いしばりの強い方、下顎に歪みがある方、首、肩その他身体のコリが強い方は、必ずと言って良いほど外側翼突筋・内側翼突筋に強い緊張があります。
また、外側翼突筋は顎を動かす働き以外に顎関節に直接着き、顎関節を保持し、顎位を安定させるために常に働いている筋肉です。
最近の研究では、外側翼突筋に連続的に刺激が加わることで、脳の中枢が痛みの感度を異常に増大させることによって、線維筋痛症を発症させるという報告もされています。
当院では、取り外し式の顎位矯正装置等、様々な方法で外側翼突筋を緩める方法がありますが、衛生士による外側翼突筋・内側翼突筋マニピュレーション(口腔内より触り緩める操作)も行っております。
外側翼突筋・内側翼突筋は、表面からは直接触れられず、また、頭蓋骨の中心に位置する蝶形骨という骨に付着する繊細な筋肉でもあります。触る角度や圧を的確に行うことによって即効性も期待できる方法です。
デンタルリフレクソロジー
お口の中の反射区にアプローチする手法です。反射区とは、各器官と内蔵に繋がる末梢神経の集中箇所で、口腔内には全身につながる反射区があると言われています。
ソフトなタッチで、ゆっくりとお口の中の反射区を刺激していくと、リラックス効果がもたらされ自律神経が調整されます。顎関節症で痛みや不快感がある場合、自律神経の交感神経が優位になりやすく、デンタルリフレクソロジーで副交感神経を優位にすることで、顎関節症の治療の促進が期待できます。
また、お口の中の感覚はとても敏感ですので、お口の中の反射区を刺激することで、全身のマッサージを受けたような爽快感を持たれる方が多いことが特徴です。
この施術のリスク・副作用について
硬直した筋肉の補正時に「痛み」や「口の中に違和感」を感じるケースがあります。