インビザラインは後戻りするの?後戻りする理由と対処法について解説
インビザライン矯正を検討している方の中には「後戻り」を心配されている方もいらっしゃるでしょう。せっかく時間とお金をかけて矯正しても後戻りしてしまっては、意味がないと考えるのは当然です。
結論から言うと、インビザライン矯正後に適切に対処すれば、後戻りは防げますので、それ程心配はいりません。
そこで今回は、インビザライン矯正をした後、後戻りするケースや理由、さらには対処法についてご説明します。
後戻りとは?
「後戻り」とは、矯正治療をした歯が少しずつ動いて、乱れてしまうことです。矯正中や矯正が終わったすぐの歯は骨が不安定で動きやすい状態です。
矯正後に歯並びがよくなったからといって、何もせずにそのままにしておくと、徐々に歯が動いてしまい、せっかく矯正した歯並びが乱れてしまいます。
後戻りをさせないためには保定装置(リテーナー)などを決められた時間に着用することが重要なポイントになります。
インビザラインは後戻りしやすいの?
後戻りは歯の自然な現象です。これはインビザラインに限らずどの矯正方法においても後戻りする可能性はあります。
しかし、同じ歯列矯正でもワイヤー矯正と比較すると、取り外し式の保定装置を使用する場合、一般的にインビザラインのほうが後戻りしにくい傾向があるといわれています。その理由は、インビザライン利用者は取り外し式の装置に慣れているためと考えられます。
インビザラインは、「歯磨き」や「食事」の時間を除き、基本的に20~22時間程度マウスピースを装着します。その間、装着や取り外しをおこないますので、取り外し式の「保定装置」に対しても抵抗なく使用できます。
一方でワイヤー矯正は治療中にはマウスピースは使わず、治療後に取り外し式の保定装置を装着することになります。そのため、保定装置に慣れず、装着期間や時間を守れないこともあるようです。
中には保定装置の取り外しが面倒で、しばらく使用しない間に歯が動き、保定装置が合わなくなってそのまま使用しなくなるというケースもあります。
このようにインビザラインとワイヤー矯正を比べてみると、保定装置に対する「慣れ」「習慣」といった点から、インビザライン利用者のほうが後戻りしにくいということが言えます。
インビザラインが後戻りしてしまう2つの理由
それでもインビザライン矯正後に後戻りしてしまうケースがあります。その理由は大きく2つあります。
保定装置(リテーナー)の装着時間を守らなかった
保定装置を決められた時間にしっかりと装着していると、後戻りはほとんど起こりませんが、サボってしばらく装着しなかったりすると、少しずつ歯が動いてしまう可能性があります。
インビザライン矯正は歯を動かす期間が重要ですが、同じように歯を固定する期間も大切です。矯正後には保定装置を必ず装着するということを忘れてはいけません。
歯を目的の位置へ移動させて、なおかつ後戻りさせないという、「歯列矯正の効果を最大化」するためにはマウスピースは決められた時間装着することが重要です。
後戻りに影響する悪習癖がある
「頬杖」「歯ぎしり」「舌を出す癖」などの悪習癖があることで、歯並びが悪くなったり、後戻りを助長することがあります。
矯正中や矯正後であっても、これらの悪癖は意識して改善することが必要です。
頬杖
頬杖によって横からの圧力がかかり続けると、後戻りを起こしたり、歯並びや顎のゆがみにつながります。頬杖は無意識のうちにおこなうケースが多いですが、頬や顎に手が伸びないように意識する、家族に指摘してもらうなどが必要です。
また、寝るときにはうつぶせ寝も同じような理由から避けたほうが良いでしょう。
歯ぎしり
歯ぎしりは就寝中に無意識に行っている場合が多いですが、その間、常に歯や顎に強い圧力をかけています。それが原因で、歯並びが悪くなったり、顎の歪み、後戻りにつながります。
歯ぎしり癖の場合、ナイトガードの着用が効果的ですが、保定期間中はナイトガードの素材によっては、保定装置として使用できないこともありますので、歯科医師に相談してみましょう。
舌を出す癖
舌の正しい位置は上顎の前歯の裏側あたりと言われています。それが、「歯と歯の間から舌を出す」「舌で前歯を押す」といった癖があると歯並びが悪くなり、後戻りしやすくなります。
舌の位置も無意識に動かしがちですが、できるだけ舌は上顎につける意識付けが必要です。
歯周病が進行している
歯周病はプラークの中の細菌が歯肉の炎症を引き起こし、悪化すると骨まで溶かしてしまう病気です。
歯周病が悪化すると骨が減ってしまい、歯を支える骨が安定しないため、歯並びが悪くなり後戻りを起こす可能性があります。
30代以上の約7割の人が歯周病と言われている身近な病気ですので、日常的な口腔ケアと定期的な歯科検診で歯周病予防をしましょう。
インビザラインが後戻りしないためには
自分に合う保定装置の種類を選ぶ
保定装置(リテーナー)は、矯正後の歯を安定させるための大切な装置です。この保定装置はいくつか種類があり、歯並びや口腔内の状態によって使用する装置を選びます。
保定にかかる期間を守る
保定期間は、基本的には歯を動かす矯正期間と同程度、またはそれ以上の期間が必要になり、約2~3年という方が多いです。
最初は一日のうち食事と歯磨きの時以外等の長時間つけることになりますが、一定期間経過し、安定してくると就寝中だけなど、装着時間が短くて済みます。歯科医師が歯並びの状況を確認しながら、装着する期間や時間を決めますので、指示通りに装着しましょう。
保定装置の使用時に注意すること
保定装置はあらかじめ決められた方法で使用することが必要です。使用方法や保管について必ず歯科医師から説明を受けましょう。
また、保定装置が破損や紛失したといった場合、そのまま使用せずにいると、後戻りが進行します。こちらも速やかに歯科医師に相談して判断を仰ぎましょう。
- 洗浄方法や保管方法を守り保定装置を清潔に保つこと
- 保定装置が痛い場合、歯科医師に調整してもらうこと
- 破損や変形した場合には作りなおしをすること
- 紛失した場合は放置せずに歯科医師に相談すること
後戻りした時の対処法
矯正治療後に歯が後戻りした場合、一番やってはいけないことは、自力で治そうとすることです。無理に力をかけるようなことをすると歯肉や顎の骨に負担がかかり炎症を引き起こす可能性もあります。
後戻りも軽度や重度の場合がありますが、それぞれ対処法についてご説明します。
軽度の後戻りの対処法
これまで使用していた保定装置が少しきつい、少し浮いているが入る程度の軽度の後戻りの場合には、保定装置を決められた時間装着することで後戻りの改善が症状期待できるケースもあります。
また、自分では軽度だと思っていても、すでに大きく後戻りしていることもあります。症状をご自身だけで判断せずに、まずは歯科医師に診察してもらうことをおすすめします。
重度の後戻りの対処法
大きく後戻りしている場合、これまで使用していた保定装置は合わなくなります。そのため、矯正後の状態に戻すためには再度インビザイラン矯正が必要になります。
後戻りの程度にもよりますが、矯正期間は短くなるかもしれません。いずれにしても重度の後戻りの場合、歯科医師に相談して治療方法の提案を受けましょう。
まとめ
インビザライン矯正自体が後戻りしやすいわけではありません。どの歯列矯正も同じことが言えますが、矯正後に保定装置を必ず決められた方法と期間に使用することで、後戻りを防ぐことができます。
また、睡眠時の歯ぎしりや歯列や顎に負担をかけるような日常の悪癖も、後戻りさせないためには注意すべきです。
後戻りが心配な場合、これらのチェックやアドバイスを受けられる歯科医院で診察を受けることをおすすめします。新宿デンタルオフィスは、インビザライン矯正、噛み合わせや顎関節症の専門クリニックです。
経験豊富な歯科医師が最適な方法で歯や顎の健康を保つための治療や診療をおこないます。
後戻りが気になる方もお気軽にご相談ください。