顎関節症は自然治癒する？放置するとどうなる？

顎関節症の症状が出たときに「自然治癒できないだろうか」「放置して症状が改善しないだろうか」と、期待をする方は多いと思います。

実は顎関節症の初期症状患者のうち、およそ3分の1は放置して症状が消失することがあると言われていますが、逆に言えば、約3分の2の患者は顎関節症の症状が残ったままということでもあります。

ここでは、顎関節症が自然治癒するケースと放置するリスクについて解説します。

顎関節症の自然治癒とは？

自然治癒という言葉を普段何気なく使うことがありますが、これは「人間に備わった治癒力や免疫力などにより病気やケガが治る」ことを言います。

すり傷や切り傷を負って、それが徐々にかさぶたになって、しばらく経ったら傷口の跡が無くなるという「自然治癒」を誰もが体験したことがあると思います。

顎関節症における自然治癒とは、「顎の筋肉の炎症を抑えようする動き」があげられます。しかし、顎関節症が自然治癒できるというのは、症状が軽度の場合がほとんどです。

顎関節症の代表的な症状に「顎関節の異音」「顎の痛み」「開口障害」の3つがありますが、これらの症状が発症したけれども、しばらく放置していたら消えたという方もいらっしゃいます。

これは、何かの原因で一時的に顎関節に負荷がかかり、急性的に起こった炎症が収まったことが考えられます。

急性症状の顎の痛みは炎症が引けば、痛みは治まります。しかし、徐々に悪くなった顎の歪みが自然に元の状態にもどることは、考えにくいと言えます。顎の歪みを改善させるには、まず緊張した筋肉を緩め、筋肉の癖を戻す必要があります。

そして、噛み合わせ等、顎を歪める原因となっている環境を改善させることが必要です。

放置して痛みが治まる可能性があるのは、あくまで症状が軽度の場合です。放置することにより症状が悪化するおそれがありますので、顎関節症を自覚したら、まずは専門医を受診するのが適切な対応です。

顎関節症は「顎に負担をかける悪い生活習慣」により発症することがありますが、発症した後も、その生活習慣をあらためることで痛みを緩和できることがあります。ただ、症状が進行していたり、慢性化していたりすると改善は難しくなります。

痛みが落ちついている場合でも、顎の歪みや、噛み合わせが治ったわけではないので、顎関節症を発症しやすい状態であることには、変わりありません。

【顎に負担をかけない生活習慣】
・口を大きく開けない
・歯ぎしり、噛みしめをしない
・硬いものを噛まない
・長時間ものを噛まない
・上下の顎をなるべく接触させない
・正しい姿勢を心掛ける

また、顎関節症はメンタル面との因果関係が指摘されています。ストレスのある生活を避けて、日常を送ることも顎関節に負担をかけない生活の一つになります。

顎関節症の症状が現れているのに放置する人の中には、顎関節症という病気について詳しく知らない方がいます。「顎の痛み」「顎の異音」などはすぐに収まるだろうと安易に考えて放置する方も少なくありません。

顎関節症という病気の本質的な怖さは、単なる顎の局部的な疾患だけに留まらず、進行すると全身に波及して重い症状をともなうことです。

初期症状では、顎の周辺だけに不調が起きますが、「顎のずれ」や「噛み合わせの悪化」が顔面骨格の歪みや筋肉の引っ張り合いを引き起こし「頚椎の歪み」「仙骨の歪み」など、全身症状に発展します。

【顎関節症の全身症状】
頭痛、耳痛、鼻痛、目の痛み、肩こり、腰痛、手足のしびれ、めまい、抑うつ

症状が重くなると痛みや倦怠感にともない精神面の不調も引き起こします。「やる気が起きない」「集中できない」など、日常生活や社会生活に大きな影響を及ぼします。

このように顎関節症による異変を感じたら放置という選択は取らずに、まずは専門医に相談することをお勧めします。

顎関節症は「下顎のずれ・歪み」「噛み合わせの悪化」が主な原因で発症しますが、痛みが一時的に収まっていても、生活習慣やストレスなどにより、発症するケースが少なくありません。

顎関節症は症状が重くなると、治療もそれだけ長期間かかる可能性が高まります。そのため、できるだけ早期に適切な診断を受けることが重要です。

顎関節症は「下顎の位置を適正な位置に補正する」「噛み合わせを良くする」ことによって、症状改善が期待できます。

自然治癒や放置という選択を考える前に、まずは専門医にご自身の「症状がどの程度なのか」「悪化していないか」を診てもらうことお薦めします。

新宿デンタルオフィスは顎関節症・噛み合わせ矯正の専門クリニックです。当院では、顎関節症の根本的治療から、予防的処置等、様々な手法があり、その方に合った最適な治療を提供しています。

初回の初診カウンセリングは、1回3~4時間をかけてしっかり診察をおこないますので、是非ご活用下さい。