噛み合わせが悪いことでめまいが起こる可能性があります
噛み合わせなどが原因で起こる顎関節症の症状の中に「めまい」があります。
一見関係性はない様に思えますが、顎関節症の患者さんの中にはめまいや耳鳴りなどの症状に悩んでいると言う方も少なくはないのです。
めまいは精神的症状から?
顎関節症の代表的な症状として顎の痛みや口の開閉のし難さ、顎が鳴るなどが挙げられますが、これら以外の症状が現れる方もいらっしゃいます。
顎関節症に伴う症状にはめまいや耳鳴り、頭痛などもあります。
意外に思う方が多いかと思いますが、ストレスも顎関節症を引き起こす原因になることがあります。
過度なストレスを感じたりすると脳は無意識にストレスを発散させようとし、その発散行動として歯を強く食いしばったり歯ぎしりと言った行動を取る事により力が掛かり、そしてその力が過度に顎関節にかかった結果、顎関節症が発症すると考えられます。
噛み合わせの悪さは歯以外にも影響する
噛むと言う行動は噛む為の筋肉を使い、同時に首や肩などの筋肉も一緒に動いています。
噛み合わせが悪いと余計な筋肉に負荷が掛かり神経などを圧迫してしまいます。
その筋肉に掛かった負荷を解消するために身体は無理な姿勢を取り、バランスを保とうとします。
しかし、無理な姿勢が長引くと全身の筋肉バランスが崩れてしまいます。
そして、筋肉のバランスが崩れると骨格が歪み、全身の不調へと繋がります。
噛み合わせといえば顎周辺の局所的なものと思いがちですが、実は全身不調の原因となるので要注意です。
めまいと噛み合わせの関係
めまいで通院はしているが特に医師から異常は見当たらないと言われる。
原因もハッキリしないまま、めまいが続くと言う悪循環に苦痛を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
めまいは人間の平衡感覚を保つのに必要な器官である三半規管が関係している為、まずは耳鼻科を受診される方が殆どでしょう。
しかし、歯の噛み合わせが悪い事が原因でめまいが起こる可能性がある事をご存知でしょうか?
噛み合わせが原因で、めまいの他にも頭痛などの全身の不調を訴える方は少なくありません。
噛み合わせの異常で起きる様々な症状を“咬合関連症候”と言います。
顎関節症によって起こるめまいの特徴は、動揺性のめまい(ふらつく様な感じ)が多く見られます。
それではなぜ、顎関節症がめまいを引き起こすのでしょうか?
それは、顎関節は側頭骨(耳の周りに位置する頭蓋骨)と下顎骨(アゴの骨)の間に位置する関節だからです。そして、この側頭骨の奥には、三半規管が位置する内耳があります。
ですから噛み合わせが悪く、顎関節に負担をかけ続けると顎関節の受け止める側頭骨にも負荷が掛かり、内耳にも影響を及ぼすと考えられます。
三半規管は身体の平衡感覚を保つ繊細な動きをする器官なので、検査で三半規管自体に異常が見つからない場合でも顎関節からの過度の刺激などによって不調を起こす可能性があります。
噛み合わせによるめまいの治療法とは?
耳鼻咽喉科を受診しても特に異常が見当たらないと診断されてしまうと、はっきりした治療方針が決まらないままになってしまいます。
前述にもお話した様に噛み合わせが原因でめまいの症状が出ている可能性もあります。
他の科でめまいの原因が特定されない場合は、1度歯科で噛み合わせを診て貰う事をお勧めします。
噛み合わせが原因であれば、顎や首、頭の筋肉を緩める事を含め、顎関節の治療が必要となるでしょう。その上で、噛み合わせを良い方向へと整えて行く事が大切です。
噛み合わせや顎関節症の治療は歯科医院によって様々で、医院によって特色も違いますので、治療方針が自分に合っていて納得できるかを見極める必要があります。
ですから、治療を始める前にカウンセリングをしっかり受けて、自分自身が納得できるまでセカンドオピニオン、サードオピニオンを得る事も大切でしょう。
まとめ
めまいには様々な原因が潜んでいます。
悪い噛み合わせや、顎関節症がめまいに繋がると気づく方は少ないでしょう。
見極めるのは難しいですが、どこの科を受診してもめまいの原因が特定されない場合は歯科医師に相談してみるのも良いでしょう。
軽いめまいだからと放置すると危険です。
状態が悪化しないうちに、しっかり診て貰いましょう。