顎関節が痛むケースとは?
この記事では顎の痛みについて探っていきたいと思います。
顎が動く仕組み
顎関節とは、耳の穴の手前にある頭蓋骨内にある唯一の関節です。
顎に手を当てて口を開けてみるとくぼむ部分があるかと思いますが、これは頭蓋骨と下顎の骨が連結している部分ですが、この2本の骨を滑らかに動かすために、その間には関節円板(かんせつえんばん)と呼ばれる柔らかい組織があるのです。
また、それだけでなく口を開閉する際には「咀嚼筋」と呼ばれる筋肉を使って動かしています。
つまり、顎を動かすという一つの動作でも、筋肉や関節がそれぞれ働くことによって行われています。
顎関節症の痛みやずれとは?
さて、顎関節が動く仕組みについてイメージがついたところで、続いて顎関節症の痛みやずれについて詳しく見ていきましょう。
顎関節症の痛みの原因は、主に以下の二つが挙げられます。
1.顎関節障による痛み
顎関節症の痛みとして最も多いのは、骨の間のクッションの役割を果たしている関節円板がずれた状態のままになってしまうことです。
そもそも関節円板は、線維性の板で関節の運動を円滑にしたり関節の衝撃を緩和する役目があります。
歯軋りや食いしばり、頬杖などの習慣がある方は、長期間の顎への負担によって、関節円板がずれることが考えられます。
そして、顎の関節運動に不具合が生じると「顎が痛い」「開口障害」「音が鳴る」などという症状が現れることがあります。
2.咀嚼筋障害による痛み
顎関節を動かすための筋肉である咀嚼筋が何らかのダメージを受けて痛みが生じている可能性があります。顎を過度に動かしたことによる影響、歯ぎしり、外傷などが要因として考えられます。頬だけでなく側頭部辺りに頭痛が起きることもあります。筋肉が緊張して血流が悪くなることから、首や肩のコリなどの原因になることもあります。
3.虫歯
最近が虫歯の箇所に侵入して膿瘍と呼ばれる、膿(うみ)ができたことにより、顎や頬がはれることがあります。
顎が痛い…顎関節症以外に考えられるのは?
さて、顎の痛みなどは、「何かをぶつけた」などという原因でない限り、その多くは顎関節症である場合が多いでしょう。
ですが、顎関節症以外にも顎が痛くなる可能性はありますので、ご自身の判断だけで決めつけてしまうのは危険です。
例えば、「関節リウマチ」や「三叉神経痛」、「酷い虫歯」や「親知らず」、「おたふく風邪」などでも、顎が痛くなることはあります。
まとめ
さて、今回は下顎の痛みやずれが生じる原因について、顎関節症の詳しい症状やそれ以外に考えられる病気の例も挙げて行きました。
顎関節症は、固いものを食べたり、力を入れた時に歯を食いしばったり、日常生活の中で簡単になりやすい疾患の一つでもあり、軽度のものも含めると多くの日本人がその症状に悩まされています。
ですが、その分歯医医院や病院に行くのが面倒で放っておいている方が多いのも事実です。
「顎関節症だと思っていたら違う病気だった…」ということにならないためにも、顎の痛みやずれなど、何か違和感がある場合には早めの受診を心がけましょう。